障がいがあるきょうだいを持つ子どもの支援を考える
<特定非営利活動法人 アフタースクールぱるけ>

団体と助成の概要

 

児童サービスを行う「ぱるけ柏木」

 「特定非営利活動法人アフタースクールぱるけ」は2002年に設立、障がいを持つ子どもへの放課後ケア事業や家族支援事業などを仙台市内4ヵ所で行っています。

 

障がいのある子どものきょうだいを支援

 2005年に始まった家族支援事業「あみーごクラブ」は、障がいのある子どものきょうだいを対象にした事業。同法人の武田さんは「障がいのあるきょうだいを持つ子どもは、すごく良い子ばかり。常に自分が我慢をしなければいけないという意識があって、自分の意見が言えない、身近な人や家族にも悩みを打ち明けられないという子どもが多いですね」と障がいのある子どものきょうだい支援の必要性を訴えます。

 同クラブは、同じ境遇にある仲間と触れ合うことで悩みや思いを共有し、負担を軽減させていくことが目的。現在は不定期で料理作りやゲーム遊びのイベントを開催したり、クラブの仲間で外出する機会を設けたりと、何でも言い合える友達づくりの場を提供しています。

 

広がる支援の輪

お話しを伺った武田さん

 同法人のスタッフにとって、参加する子どもの変化が何よりの喜びだといいます。「内向的で友達と一緒に遊ぼうとしなかった子が少しずつ心を開いて、ついには友達の輪に入って遊んでいるのを見た時にはすごく嬉しかったですね」。また以前クラブに参加していた中高生がボランティアとして関わるケースもあり、支援の輪が広がっていることを実感しているそう。

 さらに、これまで1回1,000円程度の参加費が必要だった同クラブのイベントを、「こども☆はぐくみファンド」の助成金を使用し無料にする試みも。武田さんは「これまで参加したことのない子どもたちが参加し、楽しんでくれれば」と話し、広報やチラシ作りにも力を入れています。

 

きょうだい支援のニーズを把握し活動の充実を

子どもたちのかわいらしい作品

 しかし、障がいのある子どもをもつきょうだいへの支援活動はまだまだ十分とはいえず、関連する情報も不足しているといいます。

 東日本大震災の際には「障がいのある子を、きょうだいが見てくれて助かった」という保護者からの声が多かった一方で、きょうだいたち自身にとっては、負担であったのか、それとも家族で過ごせてよかったと感じていたのか、本人にしか分からない部分が多くありました。

 「ぱるけ」では、改めて悩みや思いを把握する必要性を感じ、障がいがあるきょうだいを持つ大学生以上365人を対象に、子どもの頃ほしかった支援やかかわりについて調査。当事者のニーズを把握し、活動につなげる作業を進めています。

 現在小学生を対象にしている「あみーごクラブ」ですが、今後は中高生へ向けて活動を広げることが課題。「全国的にも小学生や成人を対象にした支援団体は多いのですが、中高生を支援している団体は少ないのが現状。思春期とも重なり悩みが多くなりがちな時期に、話を聞く機会を作りたいです」。さらなる支援の広がりと、ニーズの把握による活動内容の充実が期待されています。

 

 

(2012年インタビュー実施)

2014年のレポートはこちら